2017年3月24日金曜日

F.Liszt Bénédiction de Dieu dans la solitude


蕾が花開くように

 なんとも久々の更新です。
 この二か月間、まさか何もなかった訳はなく、ただただ自分の怠惰に任せて、ブログの更新を怠っておりました。なんたること!!
 今回は、この二か月の間に新たに挑戦したことや、ピアノについて気付いたことについて記します。

▼実は、二月の始め頃から、大変な高熱を出して寝ておりました。ちょうどコンクールから帰ってきた後だったので、もしかしたら疲れている隙をやられたのかもしれません。
 高熱は何日間にも及び、初日は39.4℃まで上がり、その後は四日間ほど38℃台に苦しみました。そして熱だけならまだしも、耳周りのリンパ節の腫れが著しく、お薬で何とか菌を殺すような風邪でした。熱が下がった後も咳が残ってしまい、つい先日まで咳は続いていました。
 まぁ今年はこれで、風邪の引き収めにしてもらいたいものです。

▽しかし怪我の功名とでも言うのでしょうか。風邪をひいて良かった事も、実はありました。
 この高熱では、さすがにピアノの練習は出来ませんので、療養中はお布団の中でうなされながらも、いろいろな事をゆっくりと考えることが出来またした。そしてその中で、ある貴重な気付きを得ることが出来たのです。

 長い間、僕は「音を聴く」と言う概念について、はっきりとした定義付けをする事が出来ずに苦しんでいました。
 それが、布団の中で、ある意味では自由に、頭を巡らせているうちに、いきなり理解できたのです。さながら、死に瀕した仏陀がスジャータに命を救われ、そして沐浴の後の瞑想に入った際に、悟りを開いたような、そのような感覚でした。(大袈裟?)
 この新しい概念は、自分の演奏レベルを新しい段階にまで押し上げてくれる、とても大切な気付きと確信しています。そして現に、僕の演奏は一新されました。

▽そんな新しい感覚と共に現在取り組んでいるのが、ショパンの夜想曲とマズルカ【op.55・56】、そしてリストの【孤独の中の神の祝福=Bénédiction de dieu dans la solitude】です。
 特に、リストのBénédictionは、長年思いを寄せていた曲であり、いつかこの曲を弾くためにピアノを弾き続けてきたような曲なので、取り組めていることを大変嬉しく思っています。
 あと、、、そうだ。四月の末に受けるコンクールの為の課題曲もさらっております。おそらく、このコンクールの為に書き下ろされた新作なので、音源もなく、曲想をつかむのに苦労しています。
 先日、友達の前でちょっと弾いたら、オクターブ間違えて譜読みしている場所や、何故か音価を二倍で取っている場所等々があり、「うん。あるよね、ある。」と、慰めてもらった次第であります。

▽さてさて、来週はパリにてピアノの講習会があります。コンサートも予定されているので、しっかりと練習しなてはいけません。
 講習会での様子も、また記したいと思います。記します。
 最近の演奏の様子も近々更新する予定なので、ご笑覧ください。

 それでは、季節の変わり目、人生の変わり目、毎日元気でお過ごしくださいね。