2017年11月13日月曜日

Aprés "La porte ouverte;l'âme ferme" コンサートの話

 今回は、ブリュッセルのAtelier Marcel Hastirで催した演奏会"La porte ouverte;lâme ferme"の記録を記します。


▼ブリュッセル生活の終盤も終盤。もはや日本帰国の二日前と言う土壇場に、コンサートを催すことが出来ました。(帰国が31日、リサイタルは29日)

 実は、今回のリサイタルを計画したのが、リサイタルの約三週間前
 それまでも、会を催すための場所は常に探していたのですが、なかなか良い会場が見つからずに苦労をしていました。
 
「留学生活の最後に、リサイタルを開きたい。自分の総括として、そして感謝の思いとしても、最後に形にしたい」
 そう言った気持ちが繋がったのだと思います。リサイタル準備としてもギリギリの段階で、今回の会場を友達から知ることが出来たことが、素晴らしい縁を紡ぐきっかけでありました。
 会場を知った次の日には下見に赴き、その翌日には予約の手続きをしました。

 会場を予約してからは、沢山の引越し手続きを進めながら、また同時に、ピアノを売却したために自宅で練習が出来なくなるなど、今までの環境とは違う中での準備となりました。しかし、そのような状況かだからこそ、新しい挑戦になると思い、すべての準備を整えていきました。


▽本番当日。
 準備期間が短かったこともあり、集客に力を割けなかった事を悔やんでいました。なので当初の僕の予想としては、友達が10人も来てくれたら御の字と覚悟していました。
 しかし蓋を開けてみれば、予想を上回る方々においで頂くことが出来ました。
 そのうちの御一組は、なんと遥々オランダからいらしたとのこと。驚き、感激しました。

 しかしこれは、ゆめ、僕自身の力ではありませぬ。これはヨーロッパが脈々と育ててきた、文化へ対する尊敬の念のたまものです。そうでなければ、どうして僕のような無名の日本人ピアニストの演奏などへコンサートに足を運びましょうか。

 深い感動はまた、主催者の責任として、僕に根を下ろしました。
 つまり、、、、、ちょっとビビッて半泣きでした。笑
 だって当日まですごく大変だったんだもん。当日も前日も、諸事情で練習できなかったしね。
 そんな時に、僕を勇気付けてくれたチエちゃん、そして武田さん。深く感謝します。本当に元気が出ました。


▽さて、そんな風にビビりつつも、舞台が始まってしまえば完遂するのが私なわけであります。
 今回は新しい挑戦の一つとして、曲間に少しお話を挟むという挑戦をしたのですが(フランス語で!!)、それも軒並み好評。練習した甲斐があるってものです。
 どの曲も好評だったわけですが、その中でもF.LisztBénédiction de dieu dans la solitudeは、みなさんに特に喜んでもらえたようで、とても嬉しく思います。
 やっぱりこの曲は、僕にとっても特別ですね。


▽下の写真は、本番後の親睦会にて。音楽家として生きていく土台を作ってくれた恩師。
 後日談として友達から伝え聞いた話。
 先生が、「昨日は特別なコンサートだったと嬉しそうに話していた」と教えてくれました。

 また必ずブリュッセルでコンサートをします。
 このコンサートを、十年続けます。