2017年7月25日火曜日

Le son continu

 今回は、フランスの革命記念日(7月14日)の前後に渡って開催される、フォークダンスとドローン楽器の祭典である"Le Son Continu"へ参加した思い出を記します。一番下にも動画を一つ貼っておきます。 http://www.lesoncontinu.fr/

▼"フォークダンスとドローン楽器の祭典"と言っても、それだけを聞いてピンと来る方は、もうそれだけで相当な物好きさんではないでしょうか。失礼。いや、かく言う僕は、このLe Son Continuに参加するのは初めてでありまして、当地に赴くまで何が行われる祭典なのかを理解していませんでした。

 まず、ドローン楽器とは何か。この種の楽器で最も有名な楽器は、このお祭りの象徴にもなっている"バグパイプ"です。あのブオーと言う低い音が鳴り続けている楽器が、このドローン楽器と呼ばれる楽器群です。他にも、ハーディガーディと言う楽器などがあります。

 そしてフォークダンスは、よく知られているところだとマイムマイム等でしょうか。大勢の老若男女が、音楽に合わせて一緒になって同じダンスを踊ります。
 マイムマイムのように簡単な踊りから、ワルツ・マズルカ・スコティッシュダンス。ブーレ(Bourrée)のような難易度の高いダンスや創作ダンスなど、幅広いダンスを体感できます。
 難易度の高いダンスは、始まる前に簡単なレクチャーがありますが、それこそフランス語なので、そっちの方が難易度高め。あとは踊っている人のステップを凝視して覚えていきます。←ほとんどこれ

 フォークダンスはフランス文化の一つらしく、夏になると各地でダンスのイベントが催されます。Bal folkで調べると日程が出てきます。

▽開催されたchâteau d'arsはパリから電車で二時間・バスで四時間程度に位置するChateauroux駅に赴き、そこから車orバスで40分程の場所にあります。宿泊施設は用意されておらず、近くに用意されたキャンプ場にテントを張るか、もしくは車で20分ほど行けば宿泊施設があります。(隣町)

 僕にとって初めてのキャンプ体験でしたが、同行した人のアドバイスもあり、楽しい体験となりました。
 キャンプ場には仮のトイレとシャワーも設備されており、衛生面でも悪くはありませんでした。でも一度だけ、シャワーのお湯が途中も途中で水となり。。。

▼ドローン楽器の祭典と言う事もあって、会場となった森には130を超えるお店が出ていました。
 さきほど紹介したバグパイプから、オカリナ・木製のハープと言った楽器、そしてアコーディオン・ハーディガーディやタンブランと言う打弦楽器など。昔ながらの楽器に出会うことが出来ます。
 そのお店の前では、即席でセッションをしたりワインを飲んだりと、各々が心から音楽を楽しんでいる様子が印象的です。僕もいつか、この輪の中に入るんだ。

▽他方で、森を抜けるとお城があり、その周りには多数の出店と、ダンスをするためのステージが5つ設けられています。(一つは森の中)

 皆でステップを踏み、足を踏み鳴らし、手を打ち鳴らし、廻り、揺れ、目と目を合わせ微笑み合う。(たまに、「え、アジア人だ」と、お顔が凍られる方もいます(笑))
 老いも若きも関係なく。いやむしろ、お年を召した方のほうが熟練のステップや回転を披露されていて、文化の深さを感じます。本当に素晴らしかった。

 大勢で手を繋ぎながら進行し、節毎に相手が代わっていく踊りもあるのですが、初心者の僕は、ステップを間違えないように慣れるまでがドキドキ。どぎまぎ間違えながらも、と言うかみんなと一緒に間違えながら、楽しくステップを踏みました。

▽あっという間に過ぎ去った三日間の滞在。
 音楽を"体感する"素晴らしさを感じることが出来て、本当に良かった。そして演奏者をはじめ、参加している誰もが"生きている実感"と"幸せ"を感じていて、間違いなく僕の人生を揺り動かす経験になりました。
 どうにかして来年も参加したいし、そしてアコーディオンが買いたいです(笑)

Le son continu ≪低温で鳴り続けつづける持続音≫ ≪響き続ける音≫

https://www.youtube.com/watch?v=AC3NAkbH0-w
https://www.youtube.com/watch?v=kDLac8DY-x4




2017年7月8日土曜日

Concurso International de Piano de Valencia PREMIO ITURBI 2017

http://www.pianoiturbi.com/es/report/pianistas-seleccionados

N°55 International Piano Concours Arcangelo Speranza

 沢山の呪縛から解き放たれる時。その時には特殊なことが起こるのかもしれない。
 今回は、昨年に続き再び訪れたイタリア南部の町"Taranto"で行われたコンクールの思い出を記します。

▼振り返ってみると、出発の朝からミニミニ・ハプニング続きでした。
 いつものようにBruxelles Gare Midiへと自転車で向かったのですが、駅の近くの駐輪場はいっぱい。違う場所にある最寄りの駐輪場を調べてへと急いで向かい、駅に着いたのは予定時刻の数分前。重い荷物を抱えながらダッシュで切符を買って、息を切らしながら電車へと駆け込みました。

 あ、空港についてからは受付カウンターを間違えて、ロビーの端から端を移動したなぁ。

 今回はナポリ経由でタラントに赴きました。
 移動時間は飛行機2時間+電車5時間の約7時間。電車の中は、荷物に注意しつつ、爆睡でした。。。長かったなぁ。。。

 さて、タラントについてホテルにチェックイン。
 おもむろにコンクールのFBをチェックすると、なんだか既にコンクールが始まっている模様。参加者の写真や、審査員の方々の写真が更新されていて、「どゆこと!?」という謎の衝撃に襲われたわけでございました。

 よくよく調べてみると、コンクールスケジュールが何故か二つ書いてあって、本当の一次予選はすでに始まって終わっていると言う。。。まぁ、その時は動揺が激しかったですね。

 急いで事務側に連絡をして、翌朝に、一次試験を受けることが出来ると言う決定をしていただきました。オーガナイズ側の不備だという事で謝罪もされて、とても誠意を以って対応していただきました。
 と言ってもね。その夜は興奮してしまって徹夜。そして、上の決定がなされたのは翌日の早朝の出来事だったので、仮眠を少し取ってから、お昼に一次試験を弾いたわけです。

 そんなこんなで一次を弾いたわけですが、嬉しいことに一次を突破!!
 これまで沢山の悔しい思いをしてきたので、とても嬉しい結果となりました。

 一次の後、その日の夜に二次を弾くという強行日程。その間の時間は、正直ヘロヘロでした。
 練習室として提供されているおじいさんのお宅で疲れている表情をしていると、親切にもビタミン飲料を作っていただいて、とても染み入りました。

「テニスをする時に僕はこれを必ず飲んで、、ムキムキだよー」 
みたいなと事を言ってました。おじいちゃんは元気です(笑)

 そして二次へ。
 どうなるかと思いましたが、自分なりの演奏が出来て、友達と何人かのお客さんに「感動した」と言われて、そう感じてもらえたことが非常嬉しくく思いました。 

 日本人の新しい友達とも出会え、結果もついてき始めた今回は、とても実りの深いコンクールとなりました。