2018年3月23日金曜日

手のひら・親指・手首について

 前回までは"指"について詳しく検証してきました。
 今回はその指につながる場所である"中手骨"から見ていこうと思います。

▼鍵盤を狙う

 中手骨は"指"と"手首"の間に位置しています。
 ピアノを弾く際の主な役割は、指が鍵盤の上に来るように鍵盤を捕まえに行く役割です。中手骨で打鍵を狙い、指ではなく中手骨で鍵盤を捕まえる意識を持つと、手のひらに付いている筋肉の余計な緊張なしに、スムーズに指が活躍する準備ができます。



▽中手骨の場所は手のひらの場所と重なります。場合によっては、この手のひらの重さを鍵盤に伝えることもあります。

 中手骨の底から動かし、中手骨の頭に向けて重さを振ります。重さの振り方は、その時に求める音の質や音の大きさによって変化します。

 音の質・音の大きさは鍵盤を動かす速さで決まります。鍵盤を動かすと、ピアノの中の装置が動き、ハンマーにエネルギーを伝え、弦を打ちます。この鍵盤メカニック装置全体にも重さがある為に、手からの重さをどのように鍵盤に伝えるかも等しく、打鍵の速さに関係してきます。



▼親指は鍵盤に対してやや垂直に

 親指には中節骨が存在しないため、末節骨と基節骨の動きで鍵盤をコントロールします。打鍵は親指のやや側面で、鍵盤に対して垂直に行います。
 特に、早いパッセージの場合は、親指の中手骨が鍵盤の前にある事を意識します。
 

▼手首は指と手のひらの働きを邪魔しないよう

 手首に役割はありません。
 あえて言うならば、普通の場合は手首をゆったりと伸ばし、指と手のひらの活動を邪魔しないように、その動きに委ねるのが良いでしょう。そうすれば自然と、いわゆる"手首が使えている状態"になります。


まとめ

・中手骨で鍵盤を狙う
・手のひらの重さを振る
・親指は垂直に触れる 
・手首はこの動きに伴う


次回は身体の区分・まとめ

2018年3月5日月曜日

"指"の動き

 今回は指の働き方について

▽この項を書くにあたっては苦心を重ねました。と言うのも、この項を書くために自分なりの再検証を試みている中で、次々に新しい気付きが得られました為です。すると自分の中での表現が次々と新しい言葉の書き換わっていきました。

 そんな中で、一つのまとめとして、ある程度確定的な部分を記そうと思います。

▼指の動きの起こる場所

 基本的な"指"の動きは、基節骨のから起こります
 そして指の動きが起こる場所は手のひら側(内側)にあり、基節骨の底を起点として、指の動きは中手骨と区別されます。



▼中節骨

 基節骨と末節骨の真ん中に中節骨が存在します。(基になる骨があり、末に骨があり、その中間に骨がある)
 鍵盤のコントロールは、この三つの関節の底をよく意識して、打鍵の力が手の内側に向かう事を感じながら弾くとよいでしょう。
 
 
▼連動する指

 指の動きは、指先の動きに伴います。三つの関節は連動して、打鍵の強さや音色作りを担います。
 厚みのある音色を求める時ほど、基節から動かす意識が必要となり、パッセージが細かくなるにつれて末節の動きへと移行していきます。

▼身体からのエネルギーを受け止める

 基節骨は、身体からのエネルギーを受け止めて支える"要の場所"でもあります。この時も、エネルギーを受け取るのは常に手のひら側(内側)であり、エネルギーが手の外側に逃げないように注意しましょう


まとめ
・指の動きは底から起こる。
・動きはいつも内側に向かう。
・末節・中節・基節骨の底が連動して鍵盤をコントロールする。


次回は親指・手のひら・手首について

ホリエピアノ研究所にて

 昨日は、昔からお付き合いをしている地元の調律師さんのサロンにて、お子様向けのコンサートに呼んでいただきました。


2018年3月4日


 今回弾いた作曲家は、ショパン・ハイドン・リスト・プロコフィエフ。
 我ながら、この四人の作曲家をお子様に聞かせるのは難易度が高くないかと思いましたが、"本物の音楽に触れる機会を"とのことで、調律師さんからのGOサインが出ました。

 さて、今回の本番の持ち時間は一時間なわけです。曲全体の分数は全部で23分程度。最後に質問コーナーを15分設ける予定だったので、残りの約20分はお話をしなくてはいけないわけです。。。むむむ。。。

お話し中の様子
  前回のCafe Runeでのコンサートでの話も参考にしつつ、今回も時代と作曲家の違いについてや、国と食文化の違いについてなど。お子さまにとって楽しい話を意識しつつも、大人の方にとっても興味深いお話を意識して務めました。


幸いにして演奏もお話も、皆さまに大変楽しんで頂いたようなのでホッと胸をなでおろしています。(←強調しておきます笑)

 質問コーナーでは、お子達から鋭く素晴らしい質問が沢山いただけました!!中には二度も質問をくださるお子も。そして何故か調律師さんからの質問や、逆に私が調律師さんに質問を求めることも。皆さま素晴らしい対応力でありました!!

 こんなコンサートもどんどんできたらいいなと思う、昨日のコンサートの報告でした。