2018年2月16日金曜日

身体の捉え方 ~ 一つの身体として機能するためのポイント ~

 今回は、ピアノに向かう際の演奏者の"体勢"について。
 大まかにポイントを押さえて記そうと思います。

【大きな三つのバランス 足・腰・手】

▼僕たちの持っている身体は非常に高性能です。
 例えば平均体重で言えば男性は66kg・女性53kgですが、この重さをものともせずに、僕たちは走り回ったり飛び回ったりできます。これは、僕たちが本来持っている身体のバランス調整機能が如何に素晴らしいかを物語っていると思います。。。思いません??

 例えば10kgの荷物でも運ぼうとすれば、それはそれなりに重さを感じて、あなたの自由は阻害されるでしょう。しかし、あなたが10kgほど太ってしまった場合、以前より身軽な動きではないでしょうが、あなたは自由の動き回ることが出来ることは、容易に想像できます。
 動物には本来的にこのバランス機能を備えており、ピアノの演奏にこの機能を活かさない手はないでしょう。

【腰は身体の要・重心】

 どのスポーツにおいても、身体の"重心"を捉える事は、その道で上達をするには欠かせない事です。野球・サッカー・柔道・相撲・レスリングetc.....どスポーツでも、重心をいかに捉え動かすかは、勝負の分かれ目になります。
(野球の投手なら、ピッチング時の重心移動。サッカーでは一対一での勝負の際。柔道はいかに相手の体勢と崩すか。。。)
 最も重要なのは"腰"の使い方です。身体を全体的に見た際に、腰が身体の中心に来ています。ここに重心を感じているか否かで、運動性能は大きく変化してきます。

  "腰"と言う漢字は、身体を示す"月"(ニクヅキ)に"要"と書きます。
 名は体を表すと言いますが、諺とは、いつもその核心を突いていますね。

 この腰の重要性は、ピアノ演奏に於いても例外ではありません。

 "腰の重心"が定まっているか否かは、あなたの身体が自由になり、あなたの演奏が自由になるための必須条件です。


 腰の重心は、演奏時に身体の支点となります。
 そして一方で、腰が重心になるという事は、重心を作っている他の点があるという事です。
 その重心を作っている他の点が"足""手"です。演奏者がピアノの前に座っている際には、足と手の中間地点腰の重心が存在していることを、十分に意識しましょう。
すると、あなたの演奏時に捉えられる空間の範囲が格段に広がることが感じられるでしょう。

 ここで一つ気を付けて欲しいのが、"腰"の位置についてです。おそらくみなさんが思う腰は、おへその周りの事を想像されているのではないでしょうか。
 実は、僕が感じて欲しい腰の位置はそこではなくて、もう少しだけ下で奥の場所。背骨の一番下にある仙骨の部分です。そこを体の中心・支点として捉えると、あなたの上体は軽くなり、自由になるための土台となります。





まとめ
・自由になるためには、身体の重心を感じることが大切。
・支点となる場所は、背骨の先端にある仙骨。
・手・足・腰の三点を感じて重心を感じると、演奏時に捉えられる空間が広がる。

 今回はここまで。次回は"座ること"についてついて記します。

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