2019年11月11日月曜日

einen Kaffee bitte 〜カフェを一杯〜

▼パリでカフェを頼めば必ずエスプレッソが出される。でもエスプレッソと言えばイタリア。スペインもエスプレッソだけれども、友人の話によるとそ大量の砂糖を加えて飲むのだとか。ベルギーではおそらく、少し大きいコップに入ったlongカフェが主流かな。
 さてさてそして、今回訪れたウィーンはと言うと。コーヒーを頼むと「どれにするの?」と聞かれる訳です。
 僕としては普通のコーヒーが飲みたいわけで(つまり僕の場合はブラックコーヒー)、そうお願いすると、なんと牛乳を泡立てたのが乗ってるコーヒーが出てきたんですね。いわゆるcafe viennoisってやつです。またあるお店ではミルクが必要か否かを訪ねられ、なんと国によって色々あるなぁと楽しく思ったわけです。
▼話は少し変わって、ウィーンに滞在中は名物の'グアーシュ'と'ケバブ'ばかりを食べていました。(ゴヤーシュ?グラーシュ?)
ケバブに至っては滞在中に三回も食しまして、と言うのも、パパっと済ませたかったり、お腹が空きすぎて入った小綺麗なお店がケバブ屋さんであったりと、まぁとにかく何かと縁かとあったのです。
 しかしケバブと言って侮るなかれ。ウィーンのケバブはめちゃくちゃ美味しい!!
▽正確にはピタと言う食べ物で、薄い皮で巻くケバブとは違い、野球のグローブの様なパンに野菜や肉を挟んで食べるものです。ウィーンのピタ屋さんは、どのピタも注文を受けてから生地をオーブンで焼くので、いつも焼きたてのピタを食べることが出来ます。
 そんなピタを何度か食べているうちに「この食べ物はいつの時代からあるのだろう。ここに住んでいた作曲家達も食べたのかなぁ」と疑問が湧き、早速wikiで検索。
 wikiによれは中東や地中海・北アフリカでよく見られるとの事。
▼そう、ここで僕は気付いたのです。歴史を紐解けば、ウィーンと言えば中世オスマントルコ帝国の進撃を寸での所で食い止めた場所なんです。
 実はウィーンのcafe文化の発祥も、オスマントルコ軍が撤退した際に残して言った黒い液体からの始まっていて、やはりそのままでは苦すぎるのでミルクん入れたのがcafe viennoisの由来だとか。(小室直樹著 イスラム原論p373を参照)
 おそらくピタもそうやってアラブから伝わってきたのだろうし、そして作曲家達も絶対にピタを食べていただろうなぁと。そういえばモーツァルトやベートーヴェンののトルコ風行進曲も、アラブの記憶が鮮明であったことの証左であったり。(1683年にはウィーン侵攻があったが、辛うじて食い止めた)
 かくも古代から現代にかけて、西洋と中東の交わりは深いもので、沢山の痕跡と進行中の出来事を感じることができるわけです。その関わり方によって、コーヒーの飲み方も変わってくるのかなぁと考えつつ、現在では皆が当たり前のようにそれを味わっている。
▼僕はこの、ある意味での"普通"の中にこそ、その国の特殊な色が見える気がして、食べていたピタがより一層美味しく感じられたのでした。